日本税理士会連合会会長賞(平成27年度)

平成27年度は、7,452校から616,062編の応募があり、12名が日本税理士会連合会会長賞に選ばれました。

以下、掲載の了承をいただいた方の作文を掲載いたします。(順不同・敬称略)

北欧の税金から学んだこと

有村遥香(北海道・千歳市立北斗中学校)

私が税金に興味を持ったのは、中学一年生の冬のことだ。その時期は、消費税が五パーセントから八パーセントに値上がりするというニュースで持ちきりだった。私は、毎月両親から貰う限られたお小遣いでやりくりをしている。そんな私にとっては、少しの値上がりでも痛手となってしまう。だから、増税なんて断固反対だった。

その年の冬、私の興味をひくプリントが学校の掲示板に貼られていた。それは市内の中高生を対象とした、ノルウェー派遣研修への募集用紙だった。私はこの研修にぜひ参加したいと思い、すぐさま応募条件であった作文を書いた。そして見事選考され、晴れてノルウェー研修に行けることになった。ノルウェーでの研修は本当に素晴らしいものだった。そして、私の税に対する考え方を変えてくれた、大事な研修でもあった。

ノルウェーは、税金が二十五パーセントもある。最初聞いた時はとても驚いた。実際、普通のスーパーで売られていたチョコが一袋千円近くし、日本の百円ショップで売っているような雑貨も高い値段で売られていた。おおよそ、日本の約三倍の物価だった。

その時の私は、「こんなに税金が高くて生活は大変ではないのか。」「高いことに何かメリットがあるのだろうか。」と疑問に思った。

疑問を解消する為、インターネットを使ってその事について調べてみた。すると、沢山のことが分かった。ノルウェーのみならず、大部分の北欧では、高い税金がかけられている。しかし、高い税金を払っている分、子育て支援・教育費・医療費など手厚い福祉制度の恩恵を受けていることが分かった。ひとつの例を挙げると、ノルウェーでは公立ならば大学まで学費は無料である。私はこの制度は素晴らしいと思った。お金に困っている人でも、自分が学びたいと思えば大学まで行くことができ、学びを深められるから。また、病気や怪我をした時でも無料で手当を受けられるのだ。

そして今、また日本では、消費税が二〇一七年に一〇パーセントに上がる、と騒がれている。以前の私だったら、「なんでまた上げるんだ!大変な思いをするだけじゃないか。」と、文句を言っていただろう。だが、今は違う。国民が、より良い生活を送れるように増税をするのなら、それはぜひ推進すべきだと思うようになった。

国民の生活を豊かにしてくれる税。税金という制度があるお陰で、私たちは暮らしやすい生活を送れているのだと思う。政府にはこれからも、国民ひとりひとりの為、税金の使い方を間違えず、世の中の為になるような使い方をしてもらいたいものだ。

税への意識

和田望幹(秋田県・秋田市立秋田西中学校)

納税は国民の義務である。だから本来は、自主的に納付することが前提なのだ。私自身、税金は大切なことだと理解しつつも、買い物の際にはつい、「とられている」と感じてしまうことがある。その背景には、「税制度や税金の使い道を正しく理解していない国民が多いこと」が挙げられるのではないだろうか。

私は陸上競技部に所属している。今年だけでも八つの競技場で走った。どれも「県立」や「市立」の名前どおり、国民が国や地方に納めた税金で作られた公共施設である。使用料が無料、もしくは、安値であるのは、税金のお陰なのだ。私達が毎日通う学校や図書館、プールなどは皆税金で作られている。信号機や道路もその一つだ。公共施設を利用する私達は、納税者への感謝を忘れてはいけない。

また、今夏利用した競技場の中には、ネーミングライツを導入し、節税に努めている自治体もあった。ネーミングライツとは、施設に名称を付与する権利のことである。一年間で二一〇〇万円(消費税及び地方消費税は別途)を地元企業が県に払う代わりに、契約期間内は企業名をその施設の名称に組み入れる。他県から訪れた私がその企業名を知る機会を得たように、企業には認知度の向上、そして、自治体には「新たな財源確保」というメリットがある。税金で施設を建てたまではよいが、その後の維持費や運営費をも税金で賄うことは厳しい。官民一体となり、より良い街づくりを目指すことで節税につながる。節約された税金は、他の分野で私達の暮らしを支える。

ところで、税金のない世界を考えたことはあるか。国と地方が担う公共サービスは、税制度に支えられている。例えば、私達小中学生の教科書は現在、無料で配付されている。税制度が無ければ、経済力の乏しい家庭では、教科書が買えず、教育が平等に行き届かない恐れがある。また、医療費が患者の一部負担で済んでいる現状。全額個人負担となれば、医療費を払えない人は病院へ行くことができず、病状悪化につながりかねない。災害時にも援助が来ない。開発途上国への技術支援も滞る。消防や警察が機能しなければ、安心して暮らせない。つまり、税制度によって、すべての国民に平等に安全で快適な生活が保障されているのだ。

消費税が五パーセントから八パーセントになった時、私の財布は一円玉で厚みを増した。税制度の意識を理解した今なら、「この厚みは、私が納税者としての義務を果たした証拠だ。そして、将来の日本を支えていくお金となるのだ。」と実感できる。三年後の私は十八歳。選挙権を持つ。一有権者として政治に意見を述べ、税金の使い道についても、賛否を唱えるだろう。だから私は、「中学生だから関係ない」と、税制度について学ぶことを避けることなく、日本の未来を担う若者である自覚を持ちたい。税制度への理解を自らの市民としての意識向上につなげるために。

税の重要性と正しい使われ方

徳若宏樹(千葉県・白子町立白子中学校)

この作文を書くにあたり、税金のことについて、消費税という言葉しか知らなかった私は、親が納めている税金や、買い物をした際に発生する消費税が、どのように使われているのかを調べてみた。

すると、税金は、例えば警察や消防などの生活の安全に関する費用、ゴミ収集などの環境に関する費用、道路整備などの建設に関する費用、高齢の方や障害を持った方などの福祉に関する費用、他にも公立の図書館や美術館、病院の建設・運営費用など、私たちが暮らしている様々な分野で、様々な形で使われていることが分かった。

私の身近なところでは、一つは学校である。私の通う公立の中学校の場合、校舎の建設費用や維持・修繕にかかる費用、教室の机やイス、教科書やプリントなどの教材に税金が使われている。また給食についても補助金という形で税金が使われている。日本の場合、中学までは義務教育となっており、全ての人が中学までは公平に教育を受けることができる。これも税金によるおかげである。もう一つは医療費である。私の住む白子町では、中学三年生までは一定額で通院や入院が出来る子供医療助成制度というものがある。これにも税金が使われており、そのおかげでお金の心配をすることなく安心して医療を受けられる。

このように、税金は私たちが生活する様々な場面で生かされており、知らず知らずの間にその恩恵を受けている。言い換えれば、税金があることにより、私たちが健康で快適に生活ができ、加えて教育を受けることができるのだと感じた。

しかし最近、私たちの生活に欠かせない税金の無駄使いがニュースに取り上げられた。東京オリンピックの新国立競技場建設のニュースである。建設費用が高すぎるため新たに見直しをしているが、中止が決まった前の建設計画に既に何十億円というお金を支払っており、回収は不可能だと言われている。その回収不可能な何十億円というお金も税金である。この回収不可能なお金を無駄にしなければ、例えば病院がない地域に病院を建設することができたかもしれないし、待機児童の問題に対応できるよう、保育所や保育園を建設できたかもしれない。

税金は国民から預かった大切なお金である。親からもらったお小遣いを無駄遣いしないように私は考えながら使っている。税金も無駄のないよう、納めている国民が納得できるように使って欲しいと思う。

私はまだ自分の力で税金を納めているわけではないが、社会人になり税金を納める立場になったときには、公共の福祉のために、納税の義務を怠ることのないようにしていきたいと思っている。

働くということ

木谷駿介(埼玉県・さいたま市立大宮東中学校)

僕の家庭は共働きです。それで僕と弟は、生後4か月から保育園に入っていました。また弟は1400gの未熟児だったので、産まれてから2カ月病院に入院していました。弟が入院していたのは、NICUとGCUという未熟児のための特殊な病室で、24時間体制でとても入院費がかかる施設だったそうです。しかし国とさいたま市の医療制度のおかげで、当時入院費の負担はなかったそうです。

両親の実家は二人とも金沢なので、僕たちが具合の悪い時に祖母や祖父に面倒をみてもらうことはできませんでした。弟はとても体が弱く保育園をよく休みました。「病児保育室」が自宅から車で30分ほどの場所に開設されてからは僕も弟もよく預けられ、ここの看護師さんや保育士さんと仲良くなったことを覚えています。病児保育は病気の子を預かってくれるからお金がとてもかかりそうなのですが、これもさいたま市の子育て制度の一つで、とても低料金で利用できたそうです。

僕たちが小学校に入ってからは学童保育に行きました。僕が小学2年の時に学童保育の施設が小学校の隣に建設され便利になりました。僕たちが通った学童保育はNPOという組織の下で運営されており、さいたま市からの委託金が支払われるそうです。学童保育はその委託金と保育料で運営されているので、先生の給料は安いのよ、と母から聞きました。

こうして振り返ってみると、僕の人生は、僕の両親以外の多くの人々にお世話になってきた歴史だと思います。そして裏を返せば、お世話をしてくれる人がいなかったら、両親特に母は、働き続けることができなかったと考えます。

働きたい人がたくさんいるのに、子供を預ける場所がないとニュースで耳にします。保育園、病児保育、学童保育がもっとできればいいのに、と思いましたが、これらの施設は税金で成り立っているものなので、施設が足りないからといってすぐにたくさん建設する訳にはいかないそうです。

しかしながら、子供を育てながら仕事をするということがとても困難な社会であるという現実は、子供を産もうとする人が減っていくことを加速していくに違いありません。

日本は世界で一番少子高齢化が進んでいる国です。もっとたくさん子供が増えて、もっとたくさんの人が働かないと、増え続ける高齢者を支えることができません。税金は会社だけでなく働いている人たちも納めているし、僕の少ないお小遣いからも消費税を納めています。多くの人から集めた税金は、本当に必要としている人々に本当に必要としているサービスを提供するために使って欲しいと思います。

僕は数年したら社会に出て働くことになります。その時、僕たちが税金から受けた多くの恩恵を精一杯働くという形で返していきたいと思います。

税の存在の大きさ

松本望来(石川県・輪島市立輪島中学校)

私の中での税金とは、消費税が8%になり、「高い」という印象があったので、今までなぜ払わなければならないのかわかりませんでした。また、小学生の頃にインターネットで「日本の借金時計」を見て、家庭の負債額は1925万円もあり、驚いたことがあります。なぜ税金を払っているのに借金があるのか不思議で、税金を払う理由がますますわからなくなりました。しかしある日の出来事をきっかけに、私の税金に対する関心は高まりました。

それは、中学二年生のときでした。私は腰痛持ちなので、接骨院に通っています。治療後に支払いのため受付に行くと「中学生ですので、お金は市から出されるから払わなくてもいいですよ。」と言われました。輪島市で中学生以下の子どもは、医療費が市から免除されることが決まったのです。風邪を引いて病院へ行っても、診察費・検査費・薬剤費なども免除されました。治療を受けてもお金を払わないで接骨院や病院を出ることは、とても違和感がありましたが、有難いなあと思いました。この医療費はどこから出されているのか、家に帰って調べてみると、全て市民の税金から出されていることがわかりました。税金を払う意味、そして税金が果たしている役割りを知り、納税は必要なのだと納得しました。私も社会人になり税金を納める年になったら、その恩恵を返すつもりで納めようと決めました。雇用に感謝し、自分で働いて得た給料の一部を国に納税する。納税は、親からの自立を感じさせてくれる誇らしい行いだと気付くことができました。また何かを買うとき、これからは消費税を誰かの役に立つことを願って気持ちよく払えることと思います。消費税が上がったから払う手が重くなるのではなく、消費税が上がったことでより国に貢献できると考えれば、納税への意識も良い方へ変わっていくのではないでしょうか。

税金あっての義務教育です。税金は子どもの将来の可能性を無限に広げてくれています。では、もし納税制度がなかったら…。図書館で無料で本を借りられない。道路に穴が空いても工事してくれない。ゴミの収集に来てくれない。警察官がパトロールできなくなる。私たちが日々豊かに暮らせている理由の源は、税金にあったのです。

税金の中に、経済協力費というのがあります。税金は日本だけでなく、世界中の人々のためにも使われています。飢えに苦しむ人が多くいる国を助けるために、病院を建てたり特効薬を送ったりしているそうです。このような活動を「政府開発援助(ODA)」といい、私たちが納めた税金から払われています。私たちが納める税金で救える命がある。とても嬉しいことです。

税金は世界を救う。納税は世界の平和や他国の発展への手助け。税で自分が助けられ、税で誰かを助けることができる。税は助け合いを生む国境を越えた架け橋だと思うのです。

ありがとう救急車

中村花未(愛知県・高浜市立高浜中学校)

数年前のある日、見覚えのない携帯番号が表示され家の電話が鳴った。
「お母さん、誰だろう?とっていい?」
と、お兄ちゃんが言うと、
「私が出るね。」
とお母さんが電話に出た。すると、お母さんの顔色が変わり、深刻そうな顔で
「はい…はい…そうです。」
と、長い間話していた。電話を切ると
「ばぁばが事故にあって今病院に運ばれている。じぃじに連絡してほしいって。」
お母さんは、とてもあせって、いろいろな所に電話をかけていた。

ばぁばは静岡県の駿東郡という所に住んでいる。買い物途中の横断歩道で車にはねられ、重傷だった。救急救命士さんは、ばぁばがやっとで答えた娘である母の電話番号を聞きとってくれ、わざわざ遠方の私の家に電話をかけてくれたのだ。

そのおかげでじぃじと連絡がとれ、ばぁばは何時間もかかった手術が成功し、後遺症でつえをついているが今も元気にしている。

私たち家族は、父も母もそして私も救急車に助けられている。

父はジョギング中に倒れ、通りがかりの人に救急車を呼んでもらい、母はウッドデッキで足を骨が見えるほど深く切り、自分で救急車を呼び、病院に運ばれ、9針縫った。
「あの時救急車がこなくて、自分で病院に行かなきゃいけなかったと思うとゾッとする。」
と母は言っていた。

私はまだ生後2ヶ月の頃高熱を出し、病院から大きな病院へと救急車で運ばれたそうだ。

こう考えると私たち家族はどれだけ救急車に助けられただろう。母が言っていたように救急車がなかったら、ばぁばは命が危なかっただろうし、父も母もとても大変な思いをしたに違いない。もちろん、私も高い熱が続いていただろう。救急車、救急救命士さんに感謝してもしきれないくらいだ。

平成二十六年の救急出動件数は五百九十八万二千八百四十九件。全国でもどれだけの人が救急車のおかげで助けられただろう。

今もどこかで何台もの救急車が出動していることだろう。

もし、救急車に料金がかかっていたら…と考えたことがある。海外では救急車が民営で、有料のところもあるらしい。

私たち日本では、保険に未加入でも、救急車の利用は税金でまかなわれているためお金がかからない。私たちが安心して生活できるのはそのおかげかもしれない。

国民の三大義務である「納税」。税金にどのような種類があり、どこでどのように使われているか、正直なところ私は詳しくは知らない。でも、私たちが生きていく中で、それにより守られている、助けられていることがたくさんあるのは確かだと思っている。

税と募金

辻本伊織里(大阪府・大阪市立蒲生中学校)

私は中学一年生の時、学校からユニセフ募金のプリントをもらいました。それまで募金について深く考えたことはなかったのですがその時は興味が出たので調べてみました。世界中に困っている子供達が大勢いることに驚き、役に立ちたいと思いました。早速、母に「お小遣いから三千円募金してもいい?何十人分のワクチンが買えて命が助かる子もたくさんいると思う。」と尋ねました。母も賛成してくれると思いましたが、「気持ちはわかるけど、あなたが大きくなって働き、自分で税金を払えるようになってから沢山募金したら?今は大金を募金する立場ではないから。」と言われました。税の知識がなかったため、私には募金をすることと税金とは全く関連性がないように思えました。

世界には医療制度が整っていないために医薬品が不足して、また安全な水を手に入れられず汚水や不衛生な環境で感染症を引き起こし、命を落とす子供達が大勢います。紛争による影響で学校に通えず、教育を受けられない子供達も大勢います。もし日本でも税金の恩恵を受けられなければ、私達も同じような立場になるのではないでしょうか。

私達は日々、税金で賄われているものの中で生活をしています。蛇口をひねれば安全な水が飲めること、整った医療制度の中で病院にかかれること、小学校・中学校に教育費が無料で通えること、その病院や学校に安心して通えるための道路が整備されていることなど、多岐にわたる公共サービス・公共施設のお世話になっています。私はまだ所得からの納税はできないですが、まずは身近なところでどこに税金が使われているのかを学び、税金のお陰で今の生活があることを認識し、感謝をして大切に扱っていかなければならないと思います。

国民が一生懸命に働き、得た収入の中から様々な形で税金が払われています。支払う税金が少なくなれば家計は助かるように思えますが、税収入減少となれば公共施設や公共サービスに充てられる税金も減り、ひいては自分達に返ってくるものも少なくなるのです。私達の生活がより豊かで安心安全なものになるよう、公平公正に納税の義務は果たされるべきです。

社会に出て納税の義務を果たせるようになったとき、税の恩恵を受けるだけの立場から社会を支える一員に加わったという立場に変わります。今まで守り育ててくれた日本に、また支えてくれた人々に恩返しができるよう社会に貢献して初めて、世界にも目を向け、手を差し伸べられるのだと思います。

税金と募金、同じではありませんが、人を支えているという点では同じなのです。母の言葉を思い出し、世界で命の危機や苦難に直面している子供達を支えられるよう、まずは知識と意識を持って納税できる大人になりたいと心に決めました。

税金と私たちの暮らし

柚木萌花(広島県・安田学園安田女子中学校)

通学の途中で車イスを使用している人と毎日出会います。その人は、電車に乗る時に駅員さんに手助けをしてもらっている。駅のホームと電車の乗り口の段差は車イスの人ひとりではどうにもならないものでした。電車に乗り込むとその人はお礼を言って駅員さんと別れるのでした。私はその様子を見てホームに車での経路はどうなっていたか改めて考えてみると、改札口、階段、道路と私たちが日頃何もないように通っている経路は車イスの人には多くの困難のある経路でした。

しかし、道路にはスロープ、階段にはエレベーターといった車イスの人への思いやりの対応がされていた。その他にも、道路の点字ブロックや横断歩道の音楽など体の不自由な人への思いやりはたくさんあり、これは税金によってつくられたものであることを父に教わりました。体の不自由や人への思いやりだけではなく、公園、図書館、学校など私たちの生活に関わるものすべてに税金が使われているとのことであった。私たち中学生にとっては、税金を納めるという実感は薄いですが、これら施設を利用する機会は多く、私たちの生活と税金が深く関わっていることを知りました。

それなのに大人の人たちは「税金をとられる」といういい方をするのはどうしてでしょう。まるで税金を払うのが損といわんばかりです。大人の生活には税金で助かっていることはないのでしょうか。そんなことはありません。道路、病院、警察、消防など税金とかかわっているものがたくさんあります。私の父も若いころには税金は「取られる」と感じていたが、祖父が介護を受けるようになって考えが変わったと言っていた。

自分がどのように税金を払い、どのように使われているかを身近に知ることが大切なことで、税金は誰かのために役に立てるために国民ひとりひとりから集めて、巡り巡って自分にも返ってくるものであることをみんなが知るべきである。

税金を集める仕組み、使われる仕組みをもっと国民に分かりやすく知らせることで、税金を払うことに自然と感謝が湧くような社会になり、住みよい社会づくりにつながっていくと思う。私のような中学生も税金に興味を持ち、社会の仕組みを知ることが必要であり「助け合って生きる社会」の中の一員であることを理解して行く必要があると思う。

私たちが大人になる時には、「助け合って生きる社会」があたりまえで、税金だけでなく、個人個人でも積極的に助け合っていくことができる社会を日本だけでなく世界に広めていきたいと思います。

税について学び考えたこと

山根綾華(徳島県・鳴門教育大学附属中学校)

これから始まる新生活に胸をはずませ門をくぐった中一の春。しかし教室に入ると、そこにあるのは山のように積み上げられた教科書。私はその量の多さに先程までの喜びが一気にクールダウンしたのを覚えている。学年が上がるにつれて増えていく教科書。
「また増えた。めっちゃ鞄重うなるな。」
学校の帰り道、友との会話に花を咲かせながら、肩に食いこむ鞄の重さをひしひしと感じた。しかし、今年の冬、学校で「税」についての講習会があった。私は自分の無知さに恥ずかしさを感じながらも講師の方のお話に驚き、税の役割の大切さを実感した。
「税は“かたち”としては見えにくいけど、便利な身の回りの環境はほとんど税金で支えられているんですよ。」
私は思わず体育館を見回した。これも税金?あの重たい教科書も?幼い頃よく遊んだ公園も?通学路の道路や橋も?私の頭の中は、まるでパズルを解いていくように次から次へと「税金」という言葉で埋まっていった。そしてピース一つ一つに含まれている税金のありがたさに感謝の思いでいっぱいになった。

この講習会を通して、私は「税金」を身近なものとして感じた。学校、公園などの公共施設や教科書、また道路や橋の建設は、公共事業費や文教及び科学振興費、経済協力費など全て税金で賄われていることを学んだ。また高齢者が急増する昨今、日本の医療費などの社会保障関係費は高齢者やその家族にとっても大きな支えとなっている。

私の曾祖母もまた社会保障制度に支えられている高齢者の一人である。曾祖母は週に一度デイサービスに通っており、その日を心待ちにしている。私は整備された医療制度や医療サービスが高齢者の方々の明るい笑顔を花咲かせているのではないかと思う。

税金は人々の生活を支えるだけではなく、精神面でも人々の心を大きくサポートしている。生きる喜びや勇気、また学ぶ喜び…。私は今充実した教育環境の中で学んでいる。今回の講習会をきっかけに、私はどのような税の仕組みがあるのかもっと知りたくてインターネットで調べたり、家族と「税金」について話し合った。そして、今まで以上にこの恵まれた環境に感謝しなければいけないと強く思った。

私たち一人一人の国民の生活を豊かにしてくれるもの。それが税金だ。私たちは共に支え合って生きている。幼い子どもから高齢者まで様々な立場の人々が笑い合って楽しく生きることのできる社会。世代交代が進み、循環していく社会の中で、私もその中の一員なのだという自覚を改めて感じた。この安心して暮らせる幸せな社会がこれからも永遠に続いていくことを心より願っている。私は将来恩返しをしたい。教科書を手に、様々な事を学び、思いやりの心を育んでいきたい。共に支え合い社会を担う未来の一員となるために。

私たちの税

佐藤奈々惠(佐賀県・早稲田佐賀中学校)

税の歴史について調べてみた。日本では大宝律令までさかのぼり、主食の米や各国の特産物などの現物を納めたり、兵役など労働で納めるものなどがあった。当時の税は、民衆が支配する者を支える富であり、民衆を束ねる国家の体裁を形づくり、継続させるためのしくみであった。

世界の国々でも同じような歴史があり、今も変化を続けている。現在、先進国では、税金は「富の再分配」によって社会の公平性を保ち、民衆の暮らしを支える役割を果たしている。

私たちが住む日本では、税金は私たちが納め、私たちの為に使われる私たちの税金と言える。私たちの税の使い道について考えてみた。そもそも税金の分配の優先順位はどうなっているのだろう。生命を守る事、暮らしを支える事、教育、仕事等、重要な要素はたくさんある。特に、生命を守る事はとても重要だ。医療費に税金が占める割合が高く、問題になっているが、やはり人間にとって必要不可欠なものである医療費の削減というのは難しい問題だと思う。セルフケアの普及によって健康づくりに熱心な人が増え、予防できる病気を減らしていくことが唯一の解決策かもしれない。

食べていく事、社会の中で生活が成り立っていくことも、また重要なことである。私が関心を持ったのは「子どもの貧困」問題だ。先進国の日本の中で、どうして六人に一人もの子どもが貧困で苦しんでいるのか不思議な一方、これからの日本を考えると、このままではいけないと思う。少子高齢化の問題も、元をたどっていくと、ワーキングプアの若者が結婚できないことや、女性の働きにくい社会、貧困家庭に育った子どもが、良い教育を受けられず、世代を越えてまた貧困家庭が生まれるという連鎖が起きていることと関連していると言われている。

貧富の差がこれ以上開かない社会のしくみが必要だと思う。その一つが税による社会保障だが、その中でも特に子どもの教育については全ての子どもに平等に教育が与えられるようにするべきだ。子どもが十分に栄養を摂り、十分な教育を受けて成人できる社会が本当に成熟した社会ではないだろうか。

ある経済学の番組で「教育こそが、貧困を脱出できる最大の武器です。」と言っていた。仕事を持ち、誇りを持ち、社会のために喜んで税金を払える人づくりが、税によって支えられる成熟した国づくりの第一歩なのではないだろうか。

<私たちによって支えられて、私たちのために使われている税という意識を持ち、これからも税について考えていきたい。

身近な税

中武ゆい(宮崎県・宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校)

「税を身近に感じることがありますか。」

私がこの問いを投げかけられたら、すぐに「ない」と答えるだろうと思います。実際、「税金」と言われても、私たち中学生に関わりがあるのは消費税くらいです。「国の歳入の中に国民から集められた税も含まれています。」と言われても「別に、私が納めているわけではないし」と思っていました。だから、税金に関心がありませんでした。しかし、そう思うのは、私が何も知らないからであることに気付かされました。

先日、学校で租税教室がありました。昨年、消費税の税率が五パーセントから八パーセントに上がったことに対して、消費者、経営者、税理士、税務署の四つの立場の意見や考えを聞きました。私は、今まで、税率が上がることに対して、消費者としての立場からしか考えたことがありませんでしたが、違う角度から見ることでとても考えが広がったと感じました。この租税教室を終えて、私は、消費税の税率を上げることに賛成できるようになりました。ただ、この租税教室で教わったように消費者として、政府のお金の使い方を注意深く見る必要はあると思います。

もう一つ、私は、この租税教室で学んだことがあります。それは、「税は身近である」ということです。租税教室を受ける前は、税の恩恵にほとんどといっていいほど気付いていませんでした。しかし、租税教室のあと、「税は思いやり」という宮崎税務署の方が作られた曲を聞いて、税が私の生活を支えている事に気付きました。「税は思いやり」という曲と同時に流れる映像には、見慣れた宮崎の風景がたくさん出てきます。それらは、全て、税によって作られたものでした。さらに私が今、勉強している学校を支えているのも私が使っている教科書も、毎日の通学に使っている道路も、私の周りにある多くのものが税によって作られているものだということを思い出しました。私は税と無関係ではなかったのです。今まで、身近だと思っていなかった税がとても身近なものに感じました。

私も将来、消費税以外の税も納めることになります。私の納めた税が少しでも多くの人を支えることになるのであれば、気持ちよく税を納めていけると思います。それは、今の納税者も、これから先の納税者も変わらないでしょう。「税は思いやり」税は、共に支え合うための一つの手段です。そのことを忘れず、これからも、税に関心をもち続けたいです。

税の大切さ

鉢嶺妹子(沖縄県・沖縄市立宮里中学校)

私にとって、身近な税金と言えば、「消費税」です。私は中学生ですが、国民の義務として間接的に納税しています。その一方で、納めた税金が何に使われているかは、あまり関心がありませんでした。

しかし、私は、あることをきっかけに、税金の大切さ、税金が果たしている重要な役割について考えさせられました。

ある日、祖父母が私の家に遊びに来ました。いつもは私たちが遊びに行くのにどうしたんだろうと思っていると、祖母が、母に、
「毎年ある特定疾患の更新手続きの期間になったから、書類を書いてほしい。」
と頼み事があってわざわざ来たようでした。私は、「特定疾患」という聞き慣れない言葉と何の更新なのか気になりました。母は、うまく字が書けない祖母の代わりに手慣れたように書類を書いていました。

その間、私は祖父に、
「『特定疾患』って、何の更新をするの。」
と尋ねました。すると祖父は、
「おばあはね、『パーキンソン病』という難病で、二十年くらいになるかな。」
と教えてくれました。私は、初めて聞く病名に少し驚きました。

「パーキンソン病」の原因は、現在もよくわかっていないそうですが、神経伝達物質のドーパミンの減少により、手足の震えや、歩きづらくなるなどの症状が出て、日常の生活を送るのがだんだんと困難になる病気です。祖母が、うまく字が書けないのも、ゆっくり歩くのもそれが原因なんだとわかりました。そして、その病気は、生涯にわたり、治療を続けなければならず、祖母は、今も内服治療を行っていて、その薬を毎日欠かさず薬を飲んでいることを祖父は教えてくれました。

 「病院の治療費とか薬代とか、お金もたくさんかかるし、大丈夫なの。」
と私はとても心配になりました。祖父は、
「日本では、『特定疾患治療研究事業』という医療費助成制度があって、『パーキンソン病』は、指定されている病気なんだよ。治療でかかる医療費の自己負担分は、公費で助けられているから大丈夫だよ。」
と言いました。

この公費とは、税金であり、税金がこんな形で使われていることに、とても驚くと同時に何てありがたい制度なんだろうと思いました。年金暮らしで、収入の少ない高齢者にとって、医療費は大きな負担です。ましてや難病にかかったら、大変なことです。

更新に必要な書類を準備し、提出のため、手続きが行われる中部福祉保健所へ祖父たちと行きました。私は、祖母が転ばないようにと、手をつないで歩きました。私が杖のように手で支えたように、税金も祖母のような難病で困っている多くの人達の生活を支える杖となっている大切なものなんだと考える良い機会になりました。