税理士制度
税理士制度のあゆみについて
税理士制度は1942年(昭和17年)に制定した税務代理士制度が源泉となっており、制度発足以来、幾度もの改正を経て今日に至っています。税理士制度のあゆみを紹介します。
税理士制度の年譜
1942年(昭17) | 税務代理士法施行 |
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1947年(昭22) | 申告納税制度の導入 |
1951年(昭26) | 税理士法制定 |
1956年(昭31) | 税理士法改正(第一次) |
1961年(昭36) | 税理士法改正(第二次) |
1967年(昭42) | 税理士制度25周年式典を挙行 |
1970年(昭45) | 国税不服審判所が発足 |
1972年(昭47) | 税理士制度30周年式典を挙行 |
1974年(昭49) | 商法監査特例法が成立 |
1980年(昭55) | 税理士法改正(第三次) |
1992年(平4) | 税理士制度50周年式典を挙行/アジア・オセアニアタックスコンサルタント協会設立 |
1997年(平9) | 地方自治法改正で税理士が外部監査人の適格者に |
2001年(平13) | 税理士法改正(第四次) |
2004年(平16) | 日税連認証局による公的個人認証サービスを開始 |
2006年(平18) | 会社法が施行され税理士が会計参与の適格者に |
2008年(平20) | 政治資金規正法が改正され税理士が登録政治資金監査人の適格者に |
2012年(平24) | 税理士制度70周年式典を挙行 |
2014年(平26) | 税理士法改正(第五次) | 2022年(令4) | 税理士法改正(第六次) |
- 関連情報
税理士法改正の経緯
- 税理士法制定
- 戦後の民主化の中で、所得税、法人税、相続税に申告納税制度が導入され、1950年(昭和25年)にはシャウプ勧告に基づく税制改革が行われました。このような中で1951年(昭和26年)、税務代理士法にかわって新たに税理士法が制定されました。
- 税理士法改正(第一次)~任意加入制から強制入会制へ
- 1956年(昭和31年)の改正で、税理士業務を行おうとする者は、税理士登録を行い、かつ、税理士会に入会しなければ、原則として業務が行えないこととなりました。
- 税理士法改正(第二次)~登録事務を移譲
- 1961年(昭和36年)の改正で、税理士会の自治権を強化するため、登録事務が国税庁から日本税理士会連合会へ移譲されました。
- 税理士法改正(第三次)~税理士の地位が明確に
- 1980年(昭和55年)、税理士業務のより適正な運営に資するため、税理士の使命の明確化、税理士業務の対象となる税目の拡大、登録即入会(税理士登録をした者は当然に税理士会の会員となる)などの改正が行われ、税理士の地位が明確になりました。
- 税理士法改正(第四次)~納税者利便の向上と信頼される税理士制度の確立
- 2001年(平成13年)、最近の税理士を取り巻く環境を踏まえた改正として、税理士法人制度の創設、税理士が税務訴訟において弁護士とともに出頭・陳述できる補佐人制度の創設、税理士業務に対する報酬の最高限度額に関する規定の削除などが行われました。
- 税理士法改正(第五次)~公認会計士に係る資格付与の見直し
- 2014年(平成26年)の改正で、公認会計士の税理士資格の取得について、国税審議会が指定する税法に関する研修の修了を要件とすることとされたほか、租税教育への取組の推進、税理士に係る懲戒処分の適正化などの改正が行われました。
- 税理士法改正(第六次)~業務環境や納税環境のデジタル化に対応
- 2022年(令和4年)の改正で、税理士の業務におけるICT化推進の明確化や事務所設置規定の見直しなど経済社会のデジタル化に対応するための改正のほか、税理士試験の受験資格の見直し、税理士法人の業務範囲の拡充、懲戒逃れをする税理士への対応などが行われました。
税理士制度70周年
税理士制度は、1942年(昭和17年)に税務代理士法が制定されてから、2012年(平成24年)で70周年を迎えました。
日本税理士会連合会では、これを記念して、2012年11月5日に常陸宮同妃両殿下のご臨席を仰ぎ、「過去に感謝未来に責任」とのテーマの下で記念式典を開催したほか、記念誌を刊行しました。
この記念誌では、記念式典の模様を紹介するとともに、最近20年間における税理士制度の歩みと日税連の活動を国内外の動向と合わせて振り返っています。
税理士制度80周年
日本税理士会連合会は、2022年(令和4年)7月28日、税理士制度80周年及び第6次税理士法改正記念式典を開催しました。
当該式典においては、中里実東京大学名誉教授から、「税理士制度と財政制度――専門的職業人としての税理士の地位」と題する記念講演が行われました。
税理士の使命・倫理について
税理士の使命
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としています(税理士法第1条)。
税理士の倫理
税理士は脱税相談に応ずることができません。また、依頼者が租税に関して不正な行為を行っていることを知った場合には、是正をするよう助言しなければならないことになっています。
納税者の信頼に応えるため、税理士は、業務に関して知り得た秘密を守る義務があり、安心して依頼することができます。使用人についても同様の義務があります。
税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為も禁じられ、税理士業務に関して帳簿を作成し、使用人等に対する監督義務もあります。
統一会員章・税理士証票等について
統一会員章
1956年(昭和31年)の改正で、税理士業務を行おうとする者は、税理士登録を行い、かつ、税理士会に入会しなければ、原則として業務が行えない、強制入会制へと移行しました。
これを機に日本税理士会連合会では、統一会員章(税理士バッジ)を制定しました。
その意匠は、外側の円が日本の「日」を示し、「日」とともにどこまでも進行(隆昌)することを意味しています。また、中央には日本の国花である桜を使用しています。
税理士証票
税理士証票は税理士登録により交付されます。税理士が、税務代理をする場合において、税務官公署の職員と面接するときには、税理士証票を提示しなけれならず、税理士はこの証票を携行しています。
また、2014年(平成26年)の税理士法改正により証票を定期的に交換することとされ、交付日から10年を経過するごとに交換することとしています。
税理士会ロゴデザイン
税理士会の認知度向上を目的として、 2011 年(平成 23 年)にロゴデザインを制定しました。
会員章が個々の税理士を表すのに対し、ロゴデザインは集団としての税理士会を表すものです。シンボルマークの下から上に大きくなる三角形は社会の広がりや発展を表現したもので、 3 つの三角形は 「税理士」が「納税者」と「行政」をつなぐ架け橋としての役割を表現しています。また、三角形の間の空間は、筋道の通った透明性、社会の風通しの良さを表し、税理士のローマ字つづりの頭文字「 Z 」をもイメージしています。