そもそも、廃業「支援」という言葉には、経営基盤の弱い企業の退出を求めるような印象を受けるかもしれない。いうまでもなく、企業の経営者が引退するのに際しては、その事業については次の経営者に承継がされることが望ましい。しかしながら、企業の中には事業承継することを検討することなく、自らの代で事業を終了することを決断する者がかなりの数存在することを考えた場合、廃業を決断した者に対して、何らかの支援を考えていかなければならない。
ここでいう廃業「支援」とは、企業に積極的に廃業することを促すものではなく、廃業を決断した経営者が、債務超過に追い込まれて倒産することがないよう、ある程度経営余力のあるうちに、計画的に事業を終了することを支援する取組をいう。
廃業に際して「誰にも相談しなかった」、誰かに相談したという者も相手は「家族・親族」という者が多いという。廃業に際しては、取引先との関係の整理や事業用資産の処分、事業終了までの資金繰り等、様々な面で専門家の支援やサポートが必要と考えられる。
したがって、まずは、中小企業・小規模事業者に対して廃業に関する基本的な情報を提供していくことが必要であると考えられる。廃業を決断したとき、いつまでに何を準備すべきなのか、誰に何を相談し伝達すべきなのか、経営者保証に関するガイドラインで何がどう変わったのか、廃業後の生活をどう設計すれば良いのかなど、事業を終了するに際して検討しておくべきことについて、経営者が日常的に接点を持っている中小企業支援機関が積極的に情報を提供し、経営者の廃業に関する基本的な情報に対する理解を深めていくべきであろう。
(参考:中小企業白書)
廃業に当たっては、「顧客や取引先への説明」や「従業員の処遇」、「資産売却先の確保」など多くの問題への対応が必要である。よって、廃業を決断した場合には、円滑な廃業を実現するためにも、以下の取組を計画的に実行する必要がある。
(参考:事業承継ガイドライン(第3版))
税務に関する届出一覧
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