10章 その他
10-1 税理士交代時のルール
- 10-1-1税理士の交代により予測されるトラブルを教えてください。
- 税理士の交代時における、利用者識別番号、利用者ID(以下、利用者識別番号等という。)または利用者情報に登録されているメールアドレスの取扱いにより、以下のようなトラブルが予測されます。
- 関与を解消した税理士(旧税理士)が、故意にあるいは誤って納税者の利用者識別番号等を使用してメッセージボックスの内容を閲覧することにより、納税者から不正アクセスに該当すると指摘を受ける。
- 旧税理士が納税者の利用者識別番号等を使用して勝手に修正申告などをしてしまう。
- 納税者に利用者識別番号等を返却しないことにより、納税者が新たに利用者識別番号等を取得しなければならないこととなり、その結果、過去の申告内容が閲覧できなくなってしまう事態となる。
- 旧税理士のメールアドレスが利用者情報に登録されたままになっている場合、関与を解消した納税者に関する還付や予定納税等を通知するメールが旧税理士に引き続き送信されてしまう。
- メッセージボックスの転送設定に係る委任登録に旧税理士が登録されたままになっている場合、「申告のお知らせ」が旧税理士に引き続き転送されてしまう。
- 10-1-2税理士の交代時にはどのような点に注意しなければなりませんか。
- 旧税理士は、関与を解消した後に納税者の利用者識別番号等を利用した行為を一切してはならないことはもちろんですが、10-1-1のとおり、様々なトラブルが予測されることから、税理士が交代する場合には、利用者識別番号等の取扱いについて充分に注意する必要があります。
旧税理士は、関与解消後に、メッセージボックスの転送設定に係る委任関係の登録を解除し、納税者の合意のもとに保管している利用者識別番号等を納税者に確実に引き渡し、暗証番号の変更と利用者情報に登録されている旧税理士のメールアドレスの抹消を指導してください。
関与解消時に電子申告の利用取りやめの手続を行えば、従来使用していた利用者識別番号等と暗証番号が使えなくなるので、旧税理士の立場からトラブルを防止する手段として有効な方法と言えますが、納税者はその利用者識別番号等でシステムにアクセスできなくなり、メッセージボックス内の過去の情報を閲覧できなくなってしまうといった不利益を被るため避けた方が望ましいと考えられます。
また、新たに関与を開始した税理士(新税理士)は、納税者から利用者識別番号等を受け取ったら次の点を確認してください。- 暗証番号が変更されているか
- 旧税理士のメールアドレスが利用者情報から消去されているか
- メッセージボックスの転送設定に係る委任関係の登録が解除されているか
暗証番号の変更、旧税理士のメールアドレスの消去が行われていない場合は、納税者に対して指導・援助をしてください。
納税者から利用者識別番号等の情報を得られない場合の対応については、10-1-4を参照してください。 - 10-1-3関与税理士が交代する場合の手続について時系列で教えてください。
- 関与税理士が交代する場合に必要な手続の一例として、次のようなものがあります。
- 1.旧税理士
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- 関与解消の決定
- メッセージボックスの転送設定に係る委任関係の登録解除
- 納税者の利用者識別番号等及び暗証番号の返却
- 暗証番号の変更(注1)、自己のメールアドレスの消去の指導
- 関与解消
- 2.納税者
-
- 利用者識別番号等及び暗証番号の受取り
- 旧税理士の関与解消
- 新税理士の関与開始
- 新税理士へ「電子申告に係る利用者識別番号等の利用同意書」により利用者識別番号等の通知
- 暗証番号の変更、旧税理士のメールアドレスの消去、新税理士のメールアドレスの登録
- 3.新税理士
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- 関与開始
- 納税者から「電子申告に係る利用者識別番号等の利用同意書」により利用者識別番号等の受取り
- 納税者の暗証番号の変更、旧税理士のメールアドレスの消去及び自己のメールアドレスの登録の指導・援助
- メッセージボックスの転送設定
- 後任の税理士が決まっていないなどの理由で、納税者が速やかに暗証番号の変更を行うことが出来ないと判断される場合には、e-Tax・eLTAXそれぞれ暗証番号等の再発行の手続をしてください(10-3参照)。
- 関与税理士の変更に関してのe-Tax、eLTAXの届出、手続は必要ありません。
- 10-1-4納税者から情報が得られなかった場合どうしたらいいですか。
- 税理士が交代する場合、原則として納税者から新しく関与することになった税理士に利用者識別番号等を知らせるべきです。
なお、納税者が利用者識別番号等を紛失してしまった場合、さらに旧税理士からも通知がなく、以前の利用者識別番号等を入手することが不可能な場合は、納税者にe-Taxホームページからオンラインで「変更等届出書」を提出するよう依頼してください。(10-3参照)
また、いったん電子申告を取りやめる届出を行い、新たに利用者識別番号等を入手する方法もありますが、その場合、取りやめた利用者識別番号ではログインできなくなることから、従前の利用者識別番号におけるメッセージボックスは閲覧できなくなります。(参考)変更届出と取りやめ届出(※)との比較 変更届出 取りやめ届出による再取得 利用者識別番号 変わらない 新規取得 暗証番号 再登録 新規登録 電子証明書 再登録 新規登録 納税用確認番号 変わらない 新規登録 利用者識別番号等の通知(書) 書面による通知 オンラインによる通知 メッセージボックス内データ 残る 消滅 この場合「変更届出」とは変更等の欄の「暗証番号等の再発行」を指し、「取りやめ届出」とは「国税電子申告・納税システムの利用の取りやめ」を指す。なお、納税者が過去にマイナンバーカード方式を利用したことがある場合は、マイナンバーカードでe-Taxに認証することで、納税者の利用者識別番号を確認するほか、暗証番号を設定(変更)することができます。
利用者識別番号(e-Tax用のID)の確認方法について教えてください。[e-Tax HP] - 10-1-5税理士の業務を廃止し登録を抹消した場合、必要な手続きはありますか。
- 代理送信を行っていなかった場合には、必要な手続きはありません。
代理送信を行っていた場合には、e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーより、変更届出内容「税務代理による利用の取りやめ」を選択し、変更届出書を作成・送信してください。この際、電子証明書は不要です。手続き完了後、ご自身の利用者識別番号は本人の申告にのみ利用でき、代理送信には利用できなくなります。
なお、eLTAXの利用者IDにおいて類似する手続きはありません。
変更等届出(個人の方用)各種変更[e-Tax HP]
変更等届出(法人用)各種変更[e-Tax HP]
10-2 ID、パスワード(PW)の管理方法
- 10-2-1各種ID、パスワード(PW)があり、それぞれ文字数や有効期限が異なりますが、忘失や入力ミスを防ぐような管理方法はありますか。
- 電子申告を行うために必要な番号等は以下のとおりです。これらの番号はいずれも厳格に管理してください。
- e-Taxに接続し、申告・納税するため必要なもの
-
- ①利用者識別番号
- ②暗証番号
- ③納税用確認番号(ただし、①、②があれば随時変更は可能)
- eLTAXでポータルシステムに接続するために必要なもの
-
- ①利用者ID
- ②暗証番号
- 電子署名で必要なもの
-
- ①PINコード
それぞれについての管理上の注意点は以下のとおりです。
- e-Tax
-
- ①利用者識別番号(いわゆるID)・・・半角16桁の数字。利用の取りやめをしない限り、変更はありません。
- ②暗証番号(いわゆるパスワード(PW))・・・開始届出書のオンライン申請により即時取得した場合は、申請した暗証番号を使用することとなります。
なお、暗証番号の変更後3年間変更がありませんと、暗証番号の変更画面がログイン時に現れるので、新暗証番号を送信するか、スキップを選択してください。新暗証番号を設定する場合は、旧暗証番号と3文字以上異なる文字を使用することが条件となっていますので注意が必要です。
なお、暗証番号の文字数は8文字以上50文字以内で、英小文字、数字の2種類を必ず使用してください。
<使用可能文字> - 英文字 A~Z a~z (大文字小文字を区別します。)
- 数字 0~9
- 記号 ! / = + : # , @ $ – % . _
- ③納税用確認番号・・・初期登録で半角6桁の任意の数字を登録します。電子納税を行う場合に利用者識別番号とともに必要となるものですので、忘失等に注意して管理してください。納税者自身がログインするためには、納税用確認番号等の登録が必要となりますので、開始届出書のオンライン申請時に登録しておくことをお勧めします。
- eLTAX
-
- 利用者ID・暗証番号(いわゆるパスワード(PW))はホームページ上でID及び暗証番号が発行され、電子メールで手続完了通知があります。
- 第五世代税理士用電子証明書(有効期限2026年3月31日まで)
- PINコード・・・初期値は6桁の数字で、数字とアルファベット、記号等の混在した4~8桁が設定可能です。電子署名を行う際に必要(PINコード入力必須)です。
ブロック解除コード・・・PINコードの入力を連続して15回連間違えると不正使用防止のため、ICカードがロックされ使用できなくなります。その際のロックを解除するための数字8ケタのコードとなります。
- 10-3利用者識別番号または暗証番号が分からなくなりました。どうしたらいいですか。
- まず、以下のe-Tax ホームページより「2 変更届出の方 (1)利用者識別番号や暗証番号をお忘れになった場合」から「変更等届出書」を提出してください。オンラインでの作業はe-Taxの利用可能時間に行ってください。
「変更等届出書」を提出すると、届出を受け付けた税務署から、「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」が郵送で届きます。
この場合、利用者識別番号はそのままですが、新たな暗証番号でログインし、暗証番号の変更及び電子証明書の登録を行う必要があります。
作成・送信する開始(変更等)届出書の選択 [e-Tax HP] 暗証番号の再設定
初期登録の際に「秘密の質問と答え」を設定しておくことにより、暗証番号を忘れたときに「秘密の質問」に答えることにより、暗証番号の再設定ができます。詳しくは、e-Taxホームページをご覧ください。
「秘密の質問と答え」とは何ですか。[e-Tax HP]eLTAXの利用者IDまたは暗証番号が分からなくなった場合は、以下のeLTAXホームページより「利用者ID再通知」または「暗証番号再発行」を実施してください。e-Taxと同様に、受付時間内に全ての操作を完了させる必要があります。これらの作業を実施すると、eLTAXに登録しているメールアドレスへ案内メールが送付されます。
なお、暗証番号の再発行を行った場合は、期限内に新たな暗証番号を設定する必要があり、この期限を超過すると該当の利用者IDは失効となり、あらためて利用届出(新規) を行う必要があるので注意してください。
また、登録したメールアドレスが不明、または利用不可能となっている場合、「利用者ID再通知」「暗証番号再発行」は行うことができず、あらためて利用届出(新規)を行うしか方法はありません。
10-4 変更届出書の提出
- 10-4-1変更届出書とはどのようなものですか。
- 変更届出とは、e-Taxの利用を取りやめる場合、利用者識別番号若しくは暗証番号を忘れた場合または利用者識別番号が失効した場合等に使用するものです。
なお、利用者識別番号を取得しているか不明な場合についても、変更届出書を使用します。利用者識別番号を既に取得している場合は既存の利用者識別番号と仮暗証番号が記載された「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」が郵送で届きます。取得していない場合は、所轄の税務署よりその旨電話連絡がありますので、即時発行を希望される場合は「開始届出書」をオンラインで提出してください。
変更等届出書の提出が必要な場合 [e-Tax HP]
e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー [e-Tax HP]
10-5 e-Taxのマイページ
- 10-5-1e-Taxのマイページとは何ですか。
- e-Taxのマイページでは、スマートフォンやパソコンからe-Taxに登録されている「本人情報」や申告の参考となる「各税目に関する情報」が確認可能です。
詳しくは、以下のホームページを参照してください
マイページ[e-Tax HP]