1章 電子申告Q&A-税理士が電子申告に取り組む意義

1-1 日本における電子申告

1-1-1どのような経緯で電子申告が始まったのですか。
 平成5年10月に第3次臨時行政改革推進審議会は、最終答申の中で、「著しく立ち遅れているわが国の行政情報化について、個人情報の保護に万全を期しながら、一層積極的かつ戦略的に推進する」必要があるとして、以下の3点を提言しました。

  1. 中期的な展望の下に行政の情報化を推進するための政府全体としての情報化推進計画の策定
  2. 各省庁間における情報の総合的利用の推進、国民に対する行政サービスの向上等
  3. 情報化推進のための基盤を推進計画を踏まえ体系的・重点的に整備、情報化の進展に応じた行政の執務システムの必要な変革

ここから、電子政府構想が始まりました。電子政府の大きな特徴の一つとして、行政機関への届出・申請がインターネットを介して行えることが挙げられます。
電子申告も電子政府の一環として実施されることになりました。
電子申告開始までの流れは以下のとおりとなっています。

平成6年12月 行政情報化推進基本計画が策定
平成7年度からの5年間で各省庁内のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)と霞ヶ関のWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)を構築する。
平成9年12月 行政情報化推進基本計画の改定が閣議決定
(1)報道発表は速やかに行い、(2)ホームページで公開し、(3)分量が多い場合はCD-ROM で提供
平成11年6月 国税庁が「申告手続の電子化等に関する研究会」を設置
平成12年4月 「申告手続の電子化等に関する研究会」が、「望ましい電子申告制度のあり方」を公表
平成13年1月 IT 基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)施行
IT(情報通信技術)の活用により世界的規模で生じている急激かつ大幅な社会経済構造の変化に的確に対応することの緊要性に鑑み、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関し、基本理念及び施策の策定に係る基本方針を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにし、並びに高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT 戦略本部)を設置するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する重点計画の作成について定めることにより、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進することを目的とする。
平成14年6月 e-Japan 重点計画-2002 策定
行政分野において、平成15年度に電子情報と紙情報を同等に扱うとした。
行政手続きをオンライン化するための電子政府・自治体関連三法案を決定、国会に提出
同法案は全国民に11桁のコード番号を付け、氏名、生年月日などの個人情報を一元管理する「住民基本台帳ネットワーク」(住基ネット)を利用し、行政機関への届出・申請をインターネットで行うことを可能にする内容です。
平成15年2月 オンライン化法案の整備法により税理士法の一部改正
税理士法第2条第1項第2号中「提出する書類」の下に「(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することが出来ない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理のように供されるものをいう。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)」を加えることにより、インターネットでの電子申告等は税務申告の一環となる。
平成16年2月 国税電子申告・納税システム(e-Tax)が名古屋国税局管内において運用開始される。
平成16年6月 国税電子申告・納税システム(e-Tax)が全国で運用開始される。
1-1-2税理士は積極的に電子申告に取り組む必要がありますか。
 現在、行政手続の電子化の流れは急激に加速しており、今後、電子申告への対応は必須事項といえるでしょう。
  平成30年度税制改正大綱において、平成32年(2020)年4月1日以後に開始する事業年度等について、資本金の額等が1億円超などの要件に該当する大法人の確定申告書等の提出については、決算書や勘定科目内訳明細書などの添付書類も含めて、電子的に提出することが義務付けられる大法人の電子申告の義務化が実現されました。また、平成32年分(2020年)以後の所得税及び平成33年度分(2021年)以後の個人住民税について、青色申告特別控除の額が、e-Taxによる提出、あるいは国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に基づく電磁的記録の備付け及び保存のいずれかの要件を満たす場合は現行と同じく65万円とし、その要件を満たさない場合55万円に引き下げられます。
 政府においては、「デジタル・ガバメント実行計画」で各種手続のオンライン原則の徹底(デジタルファースト)、行政手続における添付書類の撤廃(ワンスオンリー)、主要ライフイベントについて民間サービスとの連携も含めたワンストップ化(コネクテッド・ワンストップ)といった電子化に関する原則を定めたり、「未来投資戦略2018」で2020年3月までに重点分野の行政手続コストを20%以上削減することを目標に掲げたりと行政手続の電子化を急速に進めています。
 また、これらの戦略や計画を着実に実行するための施策として、大法人の電子申告の義務化や社会保険手続の電子申請の義務化、法人設立手続の一本化などが行われると共に、「未来投資戦略2018」のデジタル・ガバメント実現に向けた旗艦プロジェクトの一つとして行政サービスの100%デジタル化を目的とした「デジタルファースト法案」を国会に提出することが考えられています。
 国税庁においても、政府全体が行政手続の電子化に向けて動いている中で、「税務行政の将来像」を取りまとめ、10年後の税務行政のあり方をイメージし、納税者の利便性の向上、課税・徴収の効率化及び高度化に取り組むこととしています。
 このように、これからも税理士が業務を継続していくためには、行政手続の電子化への対応は必須であり、電子化への対応ができなければ、自身だけでなく納税者が不利益を被るおそれがあることから、各個人で早急に対応しなければなりません。
1-1-3電子申告の利便性は高まったのですか。
 平成16年2月2日に名古屋国税局管内から電子申告制度が導入された当初から、電子申告の利用率は平成17年度まで伸び悩んでいました。この要因の一つは、納税者と税理士双方の電子署名が必要という点でした。
この点について、国税庁が日税連からの強い要望を受け入れ、平成19年1月より税理士のみの電子署名で代理送信できるようになりました。さらに、添付書類、受信通知、税額控除等の問題についても、日税連から提出された利用者視点による要望が取り入れられ、平成19年度より具体的に改善・実施されました。また、平成20年1月からは、電子申告等開始届出がオンライン申請、即時発行が実現されることとなり、急速に電子申告の利便性が高まってきました。
これらの改善策により、平成29年度の電子申告利用件数も堅調な伸びを示し、国税庁の「財務省改善取組計画」(改善取組計画)のうち、公的個人認証の普及割合等に左右される2手続(所得税申告、消費税申告(個人))の利用率は55.1%、それ以外の国税申告4手続の利用率は80.0%、申請・届出等9手続の利用率は77.4%を達成することができました。以下のとおり所得税を例にしても、着実な伸びを示しております。

平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度
8,625,820件 8,907,933件 9,114,321件 9,377,932件
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
9,536,950件 9,502,304件 9,921,691件 10,430,168件

 地方税の電子申告についても受付可能な地方公共団体が拡大し、申告については全ての団体で、申請・届出についてもほぼすべての団体で対応しています。

1-1-4大法人の電子申告の義務化について教えてください。
 平成32(2020)年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から、資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人について、電子申告が義務化されます。対象となる税目、法人の範囲、手続等は以下のとおりです。

 e-Tax HP「『大法人の電子申告の義務化の概要』と『利便性向上施策等について』」より

 

1.対象税目 (注1)
法人税及び地方法人税並びに消費税及び地方消費税

2.対象法人の範囲(注2)
(1) 法人税及び地方法人税
 ① 内国法人のうち、その事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額(以下「資本金の額等」といいます。)が1億円を超える法人
 ② 相互会社、投資法人及び特定目的会社
(2) 消費税及び地方消費税
(1)に掲げる法人に加え、国及び地方公共団体

3.対象手続
 確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書(以下これらを総称して「申告書」といいます。)

4.対象書類
申告書及び申告書に添付すべきものとされている書類の全て

5.例外的書面申告
電気通信回線の故障、災害その他の理由によりe-Taxを使用することが困難であると認められる場合(注3)において、書面により申告書を提出することができると認められるときは、納税地の所轄税務署長の事前の承認を要件として、法人税等の申告書及び添付書類を書面によって提出することができます。

6.適用開始届出
電子申告の義務化の対象となる法人(以下「義務化対象法人」といいます。)は、以下のとおり納税地の所轄税務署長に対し、適用開始事業年度等を記載した届出書(「 e-Taxによる申告の特例に係る届出書」)を提出することが必要です。
 なお、減資により、資本金の額等が1億円以下となった場合等により義務化対象法人でなくなった場合にも、届出書の提出をお願いする予定です。
※ 当該届出書は、平成32(2020)年4月1日以後使用可能となります。
(1) 平成32年3月31日以前に設立された法人で平成32年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合
  当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内
(2) 平成32年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合  
 イ 増資により義務化対象法人となる場合
    資本金の額等が1億円超となった日から1か月以内
ロ 新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合
    設立の日から2か月以内
(3) 平成32年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合
    課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内

7. 適用日
平成32(2020)年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から適用

(注)1 地方税の法人住民税及び法人事業税についても電子申告が義務化されます(地方税の電子申告の義務化については、各地方公共団体のホームページをご覧ください)。
2 義務化対象法人には、人格のない社団等及び外国法人は含まれません。
3 電子的に提出することが困難であると認められる具体的な事例は、よくある質問「 電子申告の義務化の対象法人ですが、インターネット回線の故障でe-Taxによる提出を行うことができません。どうすればよいですか。」をご確認ください。

eLTAX ホームページ 「大法人の電子申告義務化について」より


 平成30年度税制改正により、一定の法人が提出する法人住民税及び法人事業税の納税申告書、申告書に添付すべきものとされている書類については、電子情報処理組織を使用する方法(eLTAX)により提供しなければならないこととされました。

■対象となる法人
次の内国法人が対象となります。
(1)事業年度開始の時において資本金の額等が1億円を超える法人
(2)相互会社、投資法人、特定目的会社

■対象税目
法人都道府県民税
法人市町村民税
法人事業税

■適用日
平成32年(2020年)4月1日以後に開始する事業年度分から適用

■対象書類
申告書並びに地方税法及び政省令の規定により申告書に添付すべきものとされている書類の全て

1-1-5e-Tax、eLTAXの利便性向上施策等について教えてください。
大法人の電子申告の義務化にあたっては、法人税等に係る申告データを円滑に電子提出できるよう環境整備を進めることとされており、国税庁において、様々な利便性向上施策が実施される予定です。
 なお、これらの施策は、電子申告の義務化の対象となっていない中小法人等にも適用されます。

e-Taxの利便性向上施策等一覧(適用開始時期(予定)順)

 

適用開始時期(予定) 概要
平成30年4月以後の申請等(実施済) イメージデータ(PDF形式)で送信された添付書類の紙原本の保存不要化 (全税目)
法人代表者の電子署名について、法人の代表者から委任を受けた当該法人の役員・社員の電子署名によることも可能 (法人が納税者となる全税目)
平成30年4月以後終了事業年度の申告(実施済) 土地収用証明書等の添付省略(保存義務への転換) 【書面申告も同様】(※1)(法人税)
法人税等の代表者及び経理責任者の自署押印制度を廃止し、代表者の記名押印制度の対象【書面申告も同様】(※1) (法人税、地方法人税)
(注) 外国法人については、引き続き、国内源泉所得に係る事業又は資産の経営又は管理の責任者の記名押印が必要です(代表者の押印は不要です。)。
平成31年1月以後の申告 e-Taxの送信容量の拡大 (全税目)
e-Tax受付時間の更なる拡大 (全税目)
平成31年4月以後の申告 法人税申告書別表(明細記載を要する部分)のデータ形式の柔軟化(CSV形式) <国税庁が標準フォームを提供>(法人税)
勘定科目内訳明細書のデータ形式の柔軟化 (CSV形式)<国税庁が標準フォームを提供>(法人税)
法人番号の入力による法人名称等の自動反映(法人が納税者となる全税目)
平成31年4月以後の
加入・離脱等
連結納税の承認申請関係書類の提出の一元化【書面も同様】(※1)(法人税)
平成31年4月以後終了事業年度の申告 勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化【書面申告も同様】(※1)(法人税)
平成32(2020)年3月以後の申告 法人税及び地方法人二税の電子申告における共通入力事務の重複排除(法人税、地方法人税)
平成32(2020)年4月以後の申告 財務諸表のデータ形式の柔軟化 (CSV形式)<国税庁が勘定科目コードを公表し、それを含んだ標準フォームを提供>(法人税) (注)勘定科目コードは平成31年度公開予定
添付書類の提出方法の拡充(光ディスク等による提出) (法人税、地方法人税)
財務諸表の提出先の一元化(財務諸表を法人税申告書に添付してe-Taxにより提出を行うことが前提)(法人税)
平成32(2020)年4月以後終了事業年度の申告 連結法人に係る個別帰属額等の届出書の提出先の一元化 (連結親法人が連結子法人の個別帰属額等の届出書をe-Taxにより提出を行うことが前提)(法人税)

※1.【書面申告も同様】又は【書面も同様】と記載のあるものは、電子申告が義務化されていない中小法人等が行う書面申告等の場合であっても適用される制度です。
※2.法人税等の申告に当たって、別表のうち、e-Taxによる提出ができないものについては、イメージデータ(PDF形式)での提出が認められます。

詳しくは、e-Taxホームページの特集コーナーを確認してください。
大法人の電子申告の義務化の概要」について

なお、eLTAXについても、「『行政手続コスト』削減のための基本計画(総務省・地方税)」において、「eLTAXの使い勝手の大幅改善」が掲げられています。

eLTAXの利便性向上施策等一覧(適用開始時期(予定)順)

適用開始時期(予定) 概要
平成31年9月実施予定 複数地方団体への法人設立届出書等の電子的提出の一元化
地方団体間の地方法人二税の共通入力事務の重複排除
eLTAXの送信容量の拡大等の検討
eLTAX受付時間の更なる拡大の検討
異動届出書提出時の利用者情報への自動反映
法人番号の入力による法人名称等の自動反映
メッセージボックスの閲覧方法の改善
ヘルプデスクの環境整備
利用可能文字の拡大
平成31年10月実施予定 地方税の共通電子納税システム(共同収納)の導入
平成32(2020)年3月実施予定 法人納税者の開廃業、異動等に係る申請、届出手続の電子的提出の一元化
法人税及び地方法人二税の電子申告における共通入力事務の重複排除
e-TaxソフトとeLTAXソフト(PCdesk)との連携の推進
平成32(2020)年4月実施予定 財務諸表の提出先の一元化

1-2 日税連の取り組み

1-2-1日税連の具体的な目標について教えてください。
 日税連としては、全ての会員が税理士用電子証明書により電子申告を行うことを目標としています。
税理士は、税理士法第1条(税理士の使命)の重要性に鑑み、税理士業務の無償独占が認められております。電子政府構想の根幹を成す電子申告制度においては、電子申告できる者を納税者とその代理人である税理士に限られています。
また、平成26年6月27日に税理士法基本通達の一部改正が行われ、電子情報処理組織を使用して行う事務(e-TaxやeLTAXによる電子申告)も税理士業務であることが明記されました。
 さらに、税理士法第33条第3項では、「税理士は、前2項の規定により署名押印をするときは、税理士である旨その他財務省令で定める事項を付記しなければならない」と規定され、税理士である旨の署名押印しなければなりません。日税連が発行する税理士用電子証明書が税理士であることを証明できる唯一の証明書であることから、全会員が税理士用電子証明書により電子申告を行うことを目標としています。
1-2-2日税連は電子申告の普及に向けてどのような施策をしていますか。
 日税連においては電子申告導入以前より検討を行ってきており、国税庁の「申告手続の電子化等に関する研究会」にもメンバーを送り込み、日税連の見解を訴えてきました。
電子申告の運用開始後も、利用者の視点に立ち、制度・システム上の問題点について国税庁、IT戦略本部、国会議員等に改善要望を訴え、行政側と継続的に意見交換を行ってきました。その結果、平成19年1月より税理士のみの電子証明による代理送信が、平成20年1月より開始届出書のオンライン申請による利用者識別番号や暗証番号の即時発行等が実現することとなりました。
また、電子申告において必要とされる税理士の電子証明書を発行するために、日税連は独自に電子認証局を構築し、平成16年1月に税理士会員に対して電子証明書の発行を開始し、ICカードリーダライタ(R/W)を全支部に配布しました。その後、電子証明書の発行期間の短縮、複数枚発行等を実現させ、平成29年1月からは、第四世代電子証明書の発行を開始しています。
日税連では、今後も電子申告の普及推進に努めるために、「税理士のための電子申告Q&A」の継続的改訂、電子証明書の更新及び各種研修の実施を通じて、税理士会員が電子申告を行うための環境整備を図っていきます。
一方、対外的には、毎年e-Tax及びeLTAXに関して利用者の視点に立った問題点を抽出し改善要望書を関係官庁等に提出しているほか、納税者の利便性と税務行政の効率化及び税理士の業務改善に向けて問題や課題を解決するため、継続的に関係官庁等と情報交換を行っています。

過去の電子申告に関する要望事項と主な実現項目
http://www.nichizeiren.or.jp/nichizeiren/proposal/other/e-tax_reform/
年度 主な実現項目
平成30年度 e-Tax受付時間の拡大(平日を24時間受付、毎月最終土、日曜日を8:30から24時まで受付)
e-Taxの送信容量の拡大(申告書:20MB、PDF:8MB)
個人納税者が税理士等との委任関係の登録に基づく、「申告のお知らせ」を税理士等のメッセージボックスへ転送
平成29年度 利用者識別番号の誤入力防止策の構築
ダイレクト納付について、複数の金融機関の預貯金口座を登録
平成28年度 e-Tax受付日の拡大(5月、8月、11月の最終土、日曜日)
【eLTAX】非Java化に対応
国税と地方税の受信窓口一本化として、給与・公的年金等の支払報告書及び厳選徴収票のeLTAXでの一括作成・提出の実現
平成27年度 利用者識別番号誤りの可能性があるデータについて、送信段階でエラーメッセージを表示、法定調書に記載する「署番号」を国税庁ホームページの「税務署所在地・案内」ページに掲載、Windows10に対応
平成26年度 添付書類のイメージデータによる提出、e-Taxで受付可能なデータ形式への変換機能の提供(平成28年4月サービス開始予定)
【eLTAX】 繁忙期の休日開放、最新版JAVAへの対応、Windows8.1及びInternetExplorer11に対応、メッセージボックスの保存期間延長
平成25年度 e-Taxに登録できるメールアドレス数の拡大
平成24年度 平日のe-Tax受付時間を24時まで延長
平成23年度 贈与税の電子申告対応
5月末、8月末、11月末におけるe-Tax受付時間の拡大
平成22年度 メッセージボックスの「お知らせ」から申告等の作成が可能になるなど、メッセージボックスの使い勝手が向上
5月末におけるe-Tax受付時間の拡大
平成21年度 5月末におけるe-Tax受付時間の拡大
代理送信する際に納税者情報の再入力を不要とするなど、確定申告書等作成コーナーの使い勝手の向上
平成20年度 メッセージボックスの「お知らせ」の表示項目に青色区分と消費税簡易課税の項目が追加
平成19年度 利用者識別番号・暗証番号の即時発行
平成18年度 代理送信、所得税確定申告時期のe-Tax24時間受付

1-3 税理士用電子証明書

1-3-1税理士用電子証明書の役割は何ですか。
 申告納税制度のもと、電子申告を行える者は、納税者本人と税理士に限られており、電子署名に用いる電子証明書を取得していることが前提となります。
そこで、日税連は、税理士会員が電子申告に対応するために、税理士法の規定に従って日税連に備える税理士名簿に登録された者に対して公開鍵暗号技術に基づく電子証明書を発行するために日税連電子認証局を組織しました。
税理士であることを証明することができるのは、強制入会制度のもと、税理士登録事務手続を行っている日税連のみです。日税連は、CP(証明書ポリシー)、CPS(認証局運用規定)等の諸規程に基づき、税理士会員にのみ電子証明書を交付しています。つまり、日税連の交付する電子証明書の所有者は税理士以外にはいないため、結果的に「所有者=税理士」であることを証明することが可能となっています。
また、認証局の運営は、「株式会社NTTネオメイト(以下、「ネオメイト」といいます)に委託し、日税連で税理士会員からの発行申請について税理士名簿に基づき審査登録作業を行い、ネオメイトに税理士用電子証明書の発行指示を行います。
1-3-2マイナンバーカードの電子証明書との違いは何ですか。
 日税連が発行する税理士用電子証明書は、発行対象者を税理士会員に限定しているため、実質的に「所有者=税理士」であることを証明しています。また、税理士登録が抹消された場合は、税理士用電子証明書は失効されるため、税理士登録していない者が税理士用電子証明書を用いて代理送信を行うことはできません。
一方、マイナンバーカードの電子証明書は税理士であることを証明することはできません。
マイナンバーカードでも代理送信できますが、マイナンバーカードの電子証明書は、税理士資格と連動していないため、例えば、税理士登録が抹消された場合でも、代理送信が可能であり、その場合は、電子申告したその申告自体が無効となりますので、納税者に不測の損害を与えかねません。
一方、日税連が発行する税理士用電子証明書は、日税連が管理する税理士名簿に連動しているため、税理士登録していない者が税理士用電子証明書を用い、代理送信を行うことはできません。
1-3-3税理士用電子証明書を2枚同時取得できるとのことですが、どのような意義がありますか。
  2012年8月より、書面での申請に限り、2枚の電子証明書を同時に取得できるようになりました。これは、使用中の電子証明書が損壊・紛失等により使用できなくなった場合、e-Tax等に登録している電子証明書を2枚目の電子証明書に切替えることにより、業務の停滞を防ぐことができる予備としての発行を実現したものです。電子証明書を格納したICカードにはそれぞれを区別するため、券面にカード番号(例9999999-001、9999999-002)が印刷されています。
 電子証明書の発行には、申込から通常で2~3週間かかります。このため、不測の事態に備え、2枚同時取得をお勧めします。
 なお、電子申告を行う際には、利用する電子証明書をe-Tax等に事前に登録しますので、1度に利用できる電子証明書は1枚のみで、2枚同時に電子申告に使用することはできません。2枚目以降は損壊・紛失時の予備として大切に保管してください。
 また、1枚目の税理士用電子証明書が損壊・紛失した場合、もう1枚を使い、追加発行申請書に電子署名を付して電子的に利用申込することにより、税理士用電子証明書の発行に必要である公的証明書(印鑑登録証明書、住民票等)の添付が不要となります

電子的な追加発行申請には諸条件がありますので、詳細については、日税連ホームページを参照してください。

1-3-4税理士用電子証明書の用途はどのようなものですか。
  税理士用電子証明書の用途は、以下の3点に限定されています。

  1. 税理士法第2条に定める事務
  2. 自己に係る行政機関への申告、申請、届出等(ただし、電子証明書に記載する氏名が旧姓の場合を除く。)
  3. 日税連または税理士会への申請、届出等

第四世代電子証明書から、e-Gov(社会保険・労働保険関係手続)に対応いたしましたので、自己の行政機関への申告、申請手続に係る電子署名に使用することができます。
この他に、ICカード表面に印字された登録番号が記録されたバーコードを使用し、研修受講時の出席確認等に利用することができます。
 また、日税連ホームページ上に開設されている「税理士情報検索サイト」において、一部の掲載情報を税理士会員本人が登録・変更できますが、その際の本人確認手段として使用することができます。
税理士法人自身の電子申告の際は、代表社員の税理士用電子証明書で電子署名を行うことができます。ただし、税理士が主宰している会計法人等の電子申告の際は、法人の代表者として税理士用電子証明書で電子署名を行うことはできません。

1-3-5なぜ、電子証明書の取得時に厳格な手続が必要なのですか。
 税理士用電子証明書は、電子申告に使用することが前提となっています。行政機関への申請・届出を行う場合、電子署名法に基づいた特定認証業務の認定を受ける必要があります。このため、税理士用電子証明書の発行業務も電子署名法に基づいた特定認証業務の認定を受けています。この認定基準を満たすために様々な条件が課されていることから、公的証明書の提出を求める等の厳格な手続が必要となっています。
1-3-6認証制度、電子署名とはどのような仕組みや制度のことですか。
 インターネットなどのネットワークを通じて電子商取引や電子申請を行う場合、電子データでのやり取りとなります。電子データは、複製や加工が容易なため、文書での取引や申請と異なり、その取引者、申請者が本人であるか、取引内容、申請内容が改ざんされていないかといったことを確認する必要がでてきます。これを解決するために考えられたのが公開鍵暗号基盤(PKI:Public Key Infrastructure)を用いた電子署名及び署名検証です。
電子署名とは、電磁的記録(電子文書)に付与する、電子的な徴証であり、書面における実印に相当する役割を果たすものです。税理士用電子証明書による電子署名は秘密鍵(署名鍵)を格納したICカードを使って行われます。
また、署名検証とは、電磁的記録に付帯した電子署名が正しいものであるか確認を行うことをいいます。このとき必要なのが電子証明書(公開鍵)であり、印鑑登録証明書の役割を果たします。
  これら電子署名及び電子認証の技術を活用することにより、悪意のある第三者がなりすましや、データの改ざんを行うことが事実上不可能となり、ネットワーク上での安全な取引、申請が可能となります。
電子署名を付与された申告書を受け取った国税庁は、事前に登録された電子証明書を使い、申告書が本人作成・署名のものであり、内容が改ざんされていないことを確認することによって、電子署名法第3条に基づき、その電磁的記録が真正に成立したものと推定します。