国際交流

税理士制度の普及促進

「税理士」とは「税理士法」という法律により資格を与えられた税務を専門とするプロフェッショナルです。税務を専門とする職業が法律により制度化されている国は、日本をはじめ、ドイツ(Steuerberater)、韓国(税務士)、中国(注冊税務師)など極めて限られて おり、多くの国では会計士、弁護士などが税務サービスを行なっています。

日本の税理士制度は、アジアを中心とする諸外国の注目を集めるようになり、外国の税務行政当局幹部などに制度の紹介を行う機会が多くなりました。日本税理士会連合会では、日本の税理士制度が外国の方々に正しく理解され、多くの国で税務専門家制度が導入され、発展するよう、国際的な支援及び協力を促進しています。ここ数年では、モンゴル、ベトナム及びインドネシアからの要請を受け、税理士制度の導入に向けた支援・協力活動を積極的に行ったこともあり、モンゴルでは2012年12月、税務相談業務に関する法律が制定されました。

また、日本税理士会連合会は、専門知識・経験の交換、並びに相互協力関係の維持、強化を図るため、1989年にドイツ連邦税理士会と、1991年に韓国税務士会と、2004年に中国注冊税務師協会と友好協定を締結し、交流を促進しているほか、アジア・オセアニア諸国の税務・会計専門家団体とも協定を結び、友好・親善を深めています。

アジア・オセアニアタックスコンサルタント協会

アジア・オセアニアタックスコンサルタント協会(AOTCA)は、税理士制度50周年記念事業の一環として、日本税理士会連合会の提唱により1992年(平成4年)に設立されました。アジア・オセアニア諸国の税務専門職業の発展を目指し、同地域の専門家団体間の交流の促進、並びに租税に関する情報交換の場として機能することを目的としています。日本税理士会連合会は、設立当初からリーダー的存在としてAOTCAの活動を積極的に支援しています。8ヶ国・地域の10団体とともに1993年より活動を始めましたが、20余年の歴史を経て加盟団体数は準加盟を含め15ヶ国・地域の21団体となりました。

関連情報
アジア・オセアニアタックスコンサルタント協会

定時総会(Oct.2015)の模様AOTCAでは、毎年の定例会議、セミナー、講演会を開催しており、開催国や加盟国だけではなくヨーロッパ税務連合(CFE)等からもスピーカーが参加し、国際組織ならではの多彩な内容のセッションが展開されています。また、税制及び税務行政のグローバル化の進展を見据え、CFEや他の国際税務関係機関との交流などの活動も行っています。なお、2014年10月に開催された台北会議において、池田会長(当時)がAOTCA会長に選任(2015年1月に就任)されました。2015年10月には日本税理士会連合会がホスト団体を務め、定時総会、インターナショナル・タックスカンファレンスが大阪市で開催されました。

現在のAOTCA加盟団体は、次のとおりです。(2014年11月現在、国・地域名のアルファベット順、日本語の団体名は仮訳)

  • CPAオーストラリア(CPA Australia
  • オーストラリア全国会計士会(Institute of Public Accountants, Australia
  • オーストラリア租税協会(The Tax Institute, Australia
  • 中国注冊税務師協会(Chinese Certified Tax Agents Association
  • 香港会計師公会(Hong Kong Institute of Certified Public Accountants
  • 香港税務学会(Taxation Institute of Hong Kong
  • インドネシア税理士会(Indonesian Tax Consultants’ Association
  • (公財)日本税務研究センター(Japan Tax Research Institute
  • 日本税理士会連合会(Japan Federation of Certified Public Tax Accountants’ Associations
  • 韓国税務士会(Korean Association of Certified Public Tax Accountants
  • マレーシア勅許租税協会(Chartered Tax Institute of Malaysia
  • ベカス・ペガワイ・ハシル・マレーシア(Bekas Pegawai HASIL (ExRevenue), Malaysia
  • モンゴル税理士会(Mongolian Certified Public Tax Accountants & Consultants’ Association
  • パキスタン税法協会(All Pakistan Tax Bar Association
  • フィリピン税務協会(Tax Management Association of the Philippines
  • シンガポール税理士会(Singapore Institute of Accredited Tax Professionals
  • 中華台北記帳及報税代理人公会連合会(Tax-Accountancy Association Union, Chinese Taipei
  • 中華台北記帳士公会連合会(Chinese Taipei Certified Tax Agents Association
  • ベトナム税理士会(Vietnam Tax Consultants’ Association
  • バングラデシュ勅許会計士協会(準加盟 Institute of Chartered Accountants of Bangladesh
  • スリランカ勅許会計士協会(準加盟 Institute of Chartered Accountants of Sri Lanka

「税理士」の英語訳

日本税理士会連合会は、「税理士」の英語訳について、次のような方針をとっています。

  1. 「税理士」の英語訳は、現行のCertified Public Tax Accountantとする。
  2. 使用場面により、「税理士」のローマ字表記「ZEIRISHI」を使用することとする。その場合、必要に応じて英語訳Certified Public Tax Accountantを併記することとする。

日税連では、昭和45年に税理士の英語訳を「Certified Public Tax Accountant」とすることを決定し、以後、一貫してこれを使用し続けてきましが、この間、この英語訳が税理士の職業を適切に表しているか、外国人に理解されやすいか等の疑義が出されていました。こうした状況を受け、改めて検討を行い、平成23年6月9日に上記の方針を決定しました。

Certified Public Tax Accountant」は、国内外において、ある程度普及していると考えられます。仮にこれと全く異なる英語訳を採用した場合には、新たな専門家制度が創設されたかのような誤解や混乱を招くおそれがあるうえ、新訳が定着するまで多大な労力と長い時間を要することになります。公認会計士(Certified Public Accountant)や弁護士(Lawyer, Attorney at law,ほか)など、世界に普遍的に存在している職業と異なり、他国に例をみない日本独自の税務専門家を包括的に表す適切な英語訳を見出すことは極めて困難です。今日では、税理士は税理士法2条に規定された税理士業務だけではなく、会計参与、地方自治体の外部監査人、登録政治資金監査人など、その専門的知見を活用して様々な業務を担うようになり、その独自性は強まる傾向にあります。

そこで、使用する場面に応じて適宜「ZEIRISHI」を用い、長年使用してきた現行の英語訳を説明として併記することにより、我が国独自の税理士制度を積極的にアピールすることといたしました。

英訳税理士法

日本税理士会連合会国際部は、平成26年の改正税理士法に基づき英訳した「英訳税理士法」改訂版を取りまとめました。

CERTIFIED PUBLIC TAX ACCOUNTANT ACT(Zeirishi Act)(2016.4)[PDF/2MB]

「英訳税理士法」は、外国人にとっての理解しやすさを最重視し、重要性・必要性の点から精査して一部の条文や語句を省略した抄訳版としています。また、「税理士」の英訳については、従来の〝Certified Public Tax Accountant〟とともに、〝Zeirishi〟表記を積極的に使用しています。

国際交流事業に関する報告書-2014年版-

日本税理士会連合会及び各税理士会では、諸外国における税理士制度の導入・普及定着を図るため、海外の税務関係団体等と積極的に交流を進めています。

この度、国際部は、これら国際交流事業の実態に関する報告書を発行しましたので、今後のより効果的な事業活動に資するべく掲載いたします。

国際交流事業に関する報告書-2014年版-(平成27年6月)[PDF/10MB]会員専用