令和4年度与党税制改正大綱について(会長コメント)

2021年12月10日お知らせ

令和3年12月10日
日本税理士会連合会
会長 神津 信一

 本日公表された令和4年度与党税制改正大綱において、納税環境整備の一環として「税理士制度の見直し」が明記され、次期通常国会に改正法案が提出される見込みとなりました。
 「税理士の業務の電子化等の推進」「税理士事務所の該当性の判定基準の見直し」「税理士試験の受験資格要件の緩和」等13の改正項目が掲げられ、コロナ後の新しい社会を見据え、税理士の業務環境や納税環境の電子化といった、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、多様な人材の確保や、国民・納税者の税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、急速に進む経済社会の変化に対応した新時代の税理士制度の構築に向けて大きく前進しました。

 また、税制改正については、「交際費等の損金不算入制度の適用期限の延長」「財産債務調書制度における提出期限の見直し」「法人版事業承継税制(特例措置)に係る特例承継計画の申請期限等の延長」等の建議項目が取り上げられました。

 このような大きな成果を挙げることができましたのは、全国の税理士会員の真摯な思いと、日本税理士政治連盟をはじめ各単位税理士政治連盟の活動が結実したものであります。
 会員各位のご支援ご協力に対し、改めてお礼申し上げます。また、本会の要望実現に向けてご尽力いただいた国会議員、関係行政機関等のみなさまに厚くお礼申し上げます。

 このほか大綱には、複式簿記の普及・一般化などの記帳水準の向上に向けた施策が掲載されました。この取組みは、小規模事業者・中小企業の経営改善に資するものと考え賛同するものであります。さらに、来年1月から施行される改正電子帳簿保存法において、電子取引における証憑をデータではなく書面で保存した場合、青色申告承認の取消し要件に該当する旨の懸念が寄せられていたことから、一定期間の経過措置や宥恕規定を設けるよう政府税制調査会において申し述べていたところ、この提案が受け入れられる形で対応されたことを歓迎すると同時に、この改正電子帳簿保存法の積極的な活用が中小企業の発展にとっての重要なテーマとなると考えておりますので、引き続き、本制度の周知等を図ってまいります。

 なお、消費税の適格請求書等保存方式については、免税事業者の適格請求書発行事業者の登録方法が見直されましたが、税務の専門家として、適格請求書等保存方式及び軽減税率制度等消費税制のあり方については、あるべき税制の構築に向けた建議を継続してまいる所存です。

 令和4年1月に召集される次期通常国会において、税理士法改正法案を含む令和4年度税制改正法案が提出されることとなります。本会の建議が取り入れられた改正法案の成立を期待しております。

 税理士会は、税理士法において、税制について建議することができると規定されています。
 税理士は、税務の専門家として、常に納税者と接しており、税制が納税者、特に中小事業者に与える影響を深く認識する立場にあり、税制の建議を行うことは、税理士会に課せられた社会的使命であります。引き続き、あるべき税制の確立と申告納税制度の維持・発展のため、積極的に意見を表明してまいります。

関連情報
自民党ホームページ
令和4年度税制改正大綱(R3.12.10)
日税連ホームページ
日税連からの提案-税制建議