新時代における税理士業務について(会長コメント)

2021年1月12日お知らせ

令和3年1月12日
日本税理士会連合会
会長 神津 信一

 去る令和2年12月10日に令和3年度与党税制改正大綱が公表され、その検討事項において税理士法の改正が明記されました。ここでは、「ウィズコロナ・ポストコロナの新しい社会を見据え、税理士の業務環境や納税環境の電子化といった、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応する」観点から、税理士法改正を検討するとされています。

 そもそも税理士法改正を目指す原点は、書面申告・紙ベースが前提の税理士法をデジタル時代に対応させなければならないというものであり、これと今回の大綱で示されたコロナ禍社会におけるデジタル化の要請とが完全にマッチしたものとなりました。

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、また、事業や組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)(注)への取組が進展する中にあって、我々税理士は、これら新しい技術を駆使して税理士業務を進化させていくことで、税理士法第1条に規定する使命を全うし、国民・納税者の信頼に応えていかなければなりません。

 具体的には、テレワーク・モバイルワークによる働き方改革の推進、電子申告・納付の活用による業務の簡素化・効率化、電子帳簿等保存制度の活用によるペーパーレス化などであり、加速度的に変化する時代においては、これらの課題への対応は急務であると言えます。

 会員各位におかれましては、まずは、間もなく始まる令和2年分所得税等の確定申告期において、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点も踏まえ、電子申告の積極的な利用を切にお願いする次第であります。

 コロナ禍という困難を乗り越え、税理士が電子申告の積極的な利用を含めた様々な時代の要請に対する中心的役割を果たすために、会員各位の更なるご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

(注)企業が外部環境の変化に対応しつつ、内部環境の変革を牽引しながら、クラウドやソーシャル技術等を利用した新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客満足度を高めること。