公認会計士への税理士資格付与に係る国税審議会による税法研修の指定について(会長コメント)
2016年6月7日お知らせ去る平成26年の税理士法改正においては、税理士制度の信頼性向上に資すること等の観点から、公認会計士に自動的に税理士資格が付与されていた制度を改め、平成29年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者について、公認会計士法に定める実務補習団体等が実施する研修のうち、一定の税法に関する研修を修了した公認会計士にのみ税理士資格を付与するとされました。そして、この税法に関する研修は、税理士試験における税法科目の合格者と同程度の学識を習得することができるものとして国税審議会が指定することとされていたところです。
今般、国税審議会においては、法改正の趣旨に則り、指定研修の内容等について、税理士試験との同等性の確保及び研修運営の透明性の確保の観点から検討が行われ、その結果、6月3日の第74回国税審議会税理士分科会において、日本公認会計士協会及び同会が主体となり設立した一般財団法人会計教育研修機構が行う実務補習のうち税法に関する研修について、所要の充実策が講じられることを前提に指定を行うことが決定されました。
具体的には、実務補習の修了要件の一つとされ、修了考査受験の前提にも位置付けられている考査のうち、税法関係の考査(考査全10回中の2回分)の合格基準について、従来の各回4割以上に加え、税法科目合計で6割以上という基準が追加されることとなりました。また、考査及び修了考査の試験問題の過去5年分が公開され、研修運営状況が国税審議会に定期的に報告されることともされており、税理士試験との同等性等について継続的に確認されていくことになります。
今後は、日本公認会計士協会等において関係諸規則の変更が行われたことが国税審議会によって確認された後、官報にて当該研修の指定が公告されることとなります。本検討に当たりご尽力いただいた関係各位に、この場を借りて厚く感謝を申し上げる次第であります。
日本税理士会連合会は、公認会計士に係る税理士資格付与の見直しについて、公認会計士の税務に関する専門性の向上につながるものとして一定の評価をするものであります。今後、新しい研修について同等性等が確保されているか、その運用状況を注視してまいります。
なお、日本税理士会連合会としては、今後、税務の専門家としての信頼性を高め、納税者利便を更に向上させる観点から、あるべき資格取得制度のあり方について、長期的視野に立って、会内での議論を深化させていきたいと考えているところです。
引き続き、関係各位のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
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