令和6年度与党税制改正大綱について(会長コメント)
2023年12月14日お知らせ令和5年12月14日
日本税理士会連合会
会長 太田 直樹
このたび公表された令和6年度与党税制改正大綱において、本会の建議項目や意見が取り上げられました。これもひとえに、全国の税理士会員の真摯な思いと、日本税理士政治連盟及び各単位税理士政治連盟の活動が結実したのはもとより、平素より国民や納税者に寄り添い、その声を真摯に受け止め、関係各所に届けた成果だと受け止めております。会員各位のご支援ご協力に対し、改めてお礼申し上げます。また、本会の要望実現に向けてご尽力いただいた国会議員、関係行政機関等のみなさまに厚くお礼申し上げます。
今回の大綱は、四半世紀続いたデフレからの脱却、継続的な賃上げによる経済の成長、生活への安心感と挑戦する意欲が生まれる社会の構築に向け、①構造的な賃上げの実現、②生産性向上・供給力強化に向けた国内投資の促進、③子育て支援を含む経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し、④地域・中小企業の活性化等、⑤円滑・適正な納税のための環境整備、⑥扶養控除等の見直しなどを柱としてとりまとめられております。 このような基本方針の大綱に、本会の建議した項目がいくつか盛り込まれております。
まず、法人版事業承継税制(特例措置)に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により中小企業者の事業承継に関する取り組みが遅れていることを踏まえ、特例承継計画の提出期限及び相続・贈与の実行期限の延長を要望していたところ、これが受け入れられ、特例承継計画の提出期限が2年延長されました。とはいえ、コロナ禍が長期にわたり続いたことを踏まえれば2年延長では不十分であり、また、計画提出だけでなく、令和9年12月末日とされている相続・贈与の実行期限も延長すべきであることから、これらについて今後も引き続き、関係各所に求めていきます。
また、中小法人税制については、いわゆる賃上げ促進税制について繰越税額控除限度超過額等の繰越控除制度を設けることを要望していたところ、これが受け入れられ、控除限度超過額は5年間の繰越しができることとされました。
これら改正内容が盛り込まれた令和6年度税制改正法案は、令和6年1月に召集される次期通常国会に提出され、審議されることとなります。
税理士会は、税理士法において、税制に関して建議できると規定されています。税理士は、税務に関する専門家として、税制が納税者、とりわけ、中小事業者に与える影響を深く認識する立場にあり、税制に関する建議を行うことは、税理士会に与えられた重要な役割であります。
本会は、あるべき税制の確立と申告納税制度の維持・発展のため、引き続き積極的に意見を表明してまいります。
- 関連情報
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- 自民党ホームページ
- 令和6年度税制改正大綱(R5.12.14)
- 日税連ホームページ
- 日税連からの提案-税制建議